婚活黄金期から急下降期へ①

今日から、婚活開始直後の黄金期から急下降期に入った、そのきっかけの出来事を書きます。
先に言ってしまうとそれは、F村さんという人との、交際終了です。

私の婚活は、本当に出だしが好調でした。複数の方からお申し込みをもらい、数人と仮交際がスタートしました。そんな中で、一番の本命だったのが、F村さんです。

F村さんという人


F村さんは50代後半、北陸出身。バツイチで子どもなし。半年前に転勤で、名古屋から関西に移ってきたばかりとのことでした。背が高くがっちりした大柄の体型で、見た目からして頼りがいのあるかんじ。特別男前というわけではありませんでしたが、めがねの奥の目がやさしく、髪は黒く豊かで、若々しい雰囲気でした。

私が好感をもったのは、この年代の男性なのに少しも偉そうなところがなく、私の話をニコニコと笑顔で聞いてくれたこと。また趣味の吹奏楽の話を始めるととまらず、お見合いのときは60分のうち45分くらい、吹奏楽のことを語り続けておられました。

男性が一方的に自分の好きなことをしゃべるのは、婚活では良くない例として挙げられるかと思います。でも私は、F村さんに好感をもちました。なぜなら私も大の犬好きで、花子をこよなく愛しています。だからお相手も、譲れない「何より好きなもの」をもっている人のほうが、気が楽でした。

さらにF村さんは有名大卒、一流企業に勤務していて、年収も十分。お人柄といい条件といい、私にとって「この上ない結婚相手」でした。

黄金期の中でもピーク


この方とは、9月末に仮交際が成立して、11月の初旬までの5週間、毎週のようにデートをしました。それぞれが好きな吹奏楽や犬の話をし、笑顔で聞く中で、距離が縮まっていきました。この時期が、黄金期の中の黄金期です。

最初の3回くらいのデートは、順調そのものでした。
初めてのデートは、地中海料理の店で食事。パエリアとパスタを注文し、二人で取り分けて食べました。会話は、趣味の話に終始しました。
2回目のデートは、大阪の靭公園。公園を散策したあと、カフェでお茶をしました。このときも、公園を行きかう犬を見ながら、趣味の話ばかり。

3回目のデートは、神戸。老舗の洋食屋さんでランチを食べ、海の見えるカフェでお茶。このときは趣味以外に、仕事や将来の話も出ました。このとき初めて、F村さんの今の勤務先は、中途採用で入った会社だということを知ります。
そして数年以内に本社に転勤になるかもしれない、転勤がある人は結婚相手としてOKか、と聞かれました。私との将来のことを真剣に、前向きに考えてくれているんだなと、内心とてもうれしくなったのです。

ああ、このときだ。このときが本当にピークだったな~。
私はこの人と結婚するのかもしれない。人生で初めて、そう思いました。

胸がざわついた4回目のデート


胸の中で、ざわっとするものが生まれたのは、次の4回目のデートです。
このときは花子もつれて、姫路の公園に行きました。
ちなみに花子、別にF村さんを嫌がらなかったけれど、懐きもしなかったな……。

素晴らしい秋晴れの日でした。少し離れたところで、親子連れがバーベキューをしている姿を眺めながら、私とF村さんはベンチに座り、コンビニで買ってきたお弁当を食べます。

この日、はじめてF村さんの過去の経歴が、話題の中心になります。それもあらたまっての打ち明け話ではなく、ぽろっとこぼれた一言がきっかけで、あきらかになってったというかんじ。
F村さんが食に詳しいので私が「グルメですね」というと、「以前、そういう仕事をしていたので」と、ぽろり。

……あれ?と思いました。なぜならこれまでは、「大学卒業後は建設会社に就職して、それから今のメーカーに移った」と聞いていたからです。いったいいつ、食に関わる仕事をしていたのだろうと不思議に思いました。

聞いてみると、実は建設会社を辞めて脱サラし、一度は友達と一緒に有機食品関係の会社の経営を始めたのだそう。でもうまくいかず会社をたたみ、また会社員に戻ったということでした。

私が「なるほど、それで今の会社に再就職されたんですね」と言うと、「そうです」。そして少し慌てたように、「でも転職は、その一回だけだからね」。

そうですか、とそのときはあまり気にしていないつもりでした。お互いこの年ですから、そりゃあ過去にそのくらいのことはあって当然だ、と思った、思ったのですが……、何ともいえないざわざわしたものが、胸に残りました。

私が勝手に頭の中で作り上げていた「この上ない結婚相手」が、揺らぎ始めた瞬間でした。

でも、ざわざわを抱えながらも、とにかくこの日のデートは平穏に終わったのです。

続きはまた明日。